2018年 夏号
最近、耐震・断熱に関する改修のご質問をいただきます。
みなさん同じような疑問をお持ちのようです。
簡単ではありますが改修の考え方についてご紹介してみたいと思います。
ご相談いただいた家は、どれも建築後30年くらい経過している物件でした。
みなさんのご質問は、
1)耐震性がどこまで改善するのか
2)断熱性がどこまで改善するのか
3)補助金について
4)住みながらできるか
5)予算はどのくらいかかるのか
6)どのくらいの期間か
7)建替えと改修かどちらがよいか
このようなことでした。
耐震性につきましては、耐震診断をお受けすることをお勧めしております。
埼玉県やさいたま市で行っている無料の診断もございますので、こちらを利用することも一つだと思います。その耐震結果により耐震補強を考えていくと良いと思います。耐震診断を行い、建物の現状を知ることが第一歩となります。
耐震改修には様々な方法がありますが、断熱改修と一緒に行う方法が作業内容的にも一番効率的と思います。外壁を一度取り去り、サッシを断熱性の高いものに交換し、もしくは現在のサッシの内側に断熱サッシを足し、ロックウール断熱材を施工します。外壁をはがすことにより構造が外側から点検できるので、ここで必要カ所に金物補強を行って、構造用合板を全面に張ります。適切な釘を使用することにより必要な壁を耐震補強することができます。そして、その上から外張り断熱材を張って、モルタル+しっくいで完成です。
こうすると、耐震性や断熱性がよくなり、そして10年に一度の外壁の塗り替えからも解放されます。
1)耐震性がどこまで改善するのか
→耐震性は、大きな地震が来ても倒壊しない耐震等級3を目指すことができます。
2)断熱性がどこまで改善するのか
→断熱性は、充填断熱+外張り断熱+断熱サッシで、HEAT20のG1グレードを達成できます。(G2グレードも)十分な断熱性を確保できます。
3)補助金について
→耐震補強も断熱の改修も国、県や市の補助金が利用できる場合がございます。
年度事業となるので、県や市の予算の関係もありますので計画は早めに行うことをお勧めいたします。
4)住みながらできるか
→住みながら改修するか、仮住まいに引っ越すかは、どこまで行うかにより変わりますが、仮住まいをした方が、住んでいる人への負担はかからないと思います。
5)予算はどのくらいかかるのか
→規模や大きさによりますが、家の生活する範囲全体を行わないとあまり意味がないので、少なくても居間や水回り、寝室までは行いたいものです。500万円以上2,000万円くらいが目安かと思います。
6)どのくらいの期間か
→工事期間は、もちろん工事規模によりますが、2カ月から3カ月くらいです。
7)建替えと改修かどちらがよいか
→これは、非常に難しい判断だと思います。
現在の建物に耐震、断熱以外の不満がないの場合には、生かせる資産が多いので改修が良いと思います。もしくは、建物を後の世代に残す予定がない人も改修工事がお勧めです。
特に耐震性能に関していえば、最初から地盤や基礎、構造まで耐震性を考慮して建てた建物までは、決して改修工事で到達することは出来かねます。大きな地震の後も住み続けられる可能性は、改修工事では難しいと思います。あくまでも大きな地震が起こった時に倒壊してしまわないための改修とお考え下さい。
もしもの時に安全に暮らすことができるか、いつ起こるかわからない地震から家族を守るためが目的です。
そして、断熱改修の目的は、【安全で健康的な暮らしを省エネで】です。
冬の居間の日中の室温を20℃、就寝時の寝室の温度を18℃、そして家中の温度差3℃以内を目指します。あまりエネルギーを使わないで。
このような住環境ができると、生活が一変します。
・ふとんを出ることがつらくない
・お風呂に入るのに服を脱ぐことがつらくない
・床の冷たさから解放される
寒くない生活環境は健康的にも効果があり、高血圧や糖尿病まで改善されたという報告までされています。夏には室温が30℃くらいまでは、不快さを感じなくなります。28℃のエアコン設定温度では、不快と思っている人も多いようですが、断熱がしっかりしている家では、28℃は快適温度となります。
温度をコントロールできる家ですと、
・夏暑くて眠れない
・夏のクーラーの不快さ
こんなことも起こりません。
外が蒸し暑くて不快な時でも、家の中は窓を開けて風を通してあげるだけで、涼しさを感じます。断熱をしっかりできている家では、エアコンを使わなくても快適な日がたくさん増えます。現在ある資産を生かして、安全に健康的に暮らす家にグレードアップする。新築に建て替えるだけが解決策ではありません。
冬は寒いのは、あたりまえ、夏は暑いのがあたりまえとあきらめている人も多いと思いますが、家の作りでまったく生活が変わります。健康で楽しく暮らすことは、とても大切なことと思います。それには、住環境が大きく影響します。体調に影響が出る前に考えてみてはいかがでしょう。
(※2018年夏号 掲載時の情報です。あらかじめご了承ください。)

